個人事業の資金調達の手段として、金融機関からの借入があります。
内部資金の活用などで直接金融をおこなっている企業もありますが、多くの個人事業においては金融機関からの借入が重視されています。
□ 事前の相談(開業計画の概要、融資希望額、提供担保物件の説明)
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□ 申し込み・面談(設備投資の見積書の提出)
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□ 金融機関での審査
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□ 内定・必要書類の提出
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□ 融資の実行
■ メガバンク(都市銀行):業界リーダー、融資額が大きい、融資商品が豊富、地方では支店が少ない
■ 地方銀行:地域密着金融機関
■ 信用金庫:都市銀行(都銀)。地方銀行(地銀)に比べて地域密着、非財務面にも重点を置く
■ 日本政策金融公庫:銀行、信金に比べ融資が受けやすい、創業資金融資が特長的
■ 商工組合中央金庫:普通銀行と同じ機能を持つ
1 | 資金使途:運転資金・設備資金 |
2 | 金利:収益を確保できるか |
3 | 融資期間:適正な期間か、設備資金であれば償却の期間内か |
4 | 返済方法・返済財源:返済計画は妥当か |
5 | 担保:評価、換金性に問題ないか |
6 | 保証人:保証能力があるか |
7 | 総融資額:過剰融資になっていないか |
8 | 計画の妥当性:事業計画、設備計画は妥当か |
9 | 決算表:業績推移は問題ないか |
10 | 試算表:財務分析内容に問題ないか |
11 | 預貸銀行取引状況:他行動向に変化がないか |
12 | 経営者の資質:経営者としての資質 |
13 | 事業活動の実態:経営実態があるか |
14 | 業界動向:業界特性、競争力 |
15 | 格付け:金融審査マニュアルに基づく |
※1~15は、融資の申し込みの度に審査を行っています。
創業まもない会社や小規模な会社であれば、1つの金融機関との取引でも特に支障はありませんが、ある程度の規模になると1つの金融機関だけの取引は融資を断られ資金繰りが難しくなるというリスクがあります。
融資を申し込む会社の社長が、営業や財務すべてに精通しているのが、理想形ではありますが、社長が財務にあまり精通していない場合は、財務の分かる経営幹部などを同席させ会社業績や事業計画、借入の申込理由、 返済計画などは数字を使い具体的に説明しなければ金融機関は首を縦には振りません。
給与振込や公共料金決済、クレジットカードなど経営の負担にならないもので付き合う。ギブ&テイク
国や地方自治体が中小企業に資金支援するために、民間の金融機関よりも有利な条件で融資を受けられる制度があります。また、助成金などの返済不要なものも準備されています
信用保証協会の制度が変わりました。従来は融資額の100%を保証していましたが、現在は融資額の80%までを保証金額としています。 これにより保証協会の保証があれば安心して融資できていたのに20%のリスクを保全出来なければ容易に融資が出来なくなったことになります。
決算書は、銀行から催促を受ける前に、社長または経営幹部が説明・報告しに出向くことが必要です。
年度計画や中期計画書を作成しているのであれば、金融機関に開示し理解してもらえば、今後の資金調達がスムーズに行くケースが多くなっています。
金利のかけひきは、最後に行います。利率は、企業格付け基準に基づいていることから、無理なかけひきは時間の無駄になってしまいます。しかし、実効金利を押さえてかけひきをすれば、多少の引き下げ余地はあると思います。
金融機関から社長の個人保証を求められることがあります。この際に、社長が有する個人資産や負債を聴かれますが、この情報は万一の参考情報であるためすべてを公開する必要はありません。
このほかにも融資についてわからないことや聞いてみたいことがありましたら、大阪市北区にあるトータルサポート税理士事務所にお気軽にご相談ください。